東京つばめ鍼灸院長のブログ( ´∀`)

完全無所属、無宗教、東京つばめ鍼灸院長が不定期に更新中。

寺から出れば坊主

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やるべきことが色々あって、北京の日記が全く進まない。今日は南北相法についての取材をさせてれと某出版社から電話があった。どうやらディスカバージャパンの記事を見たらしい。針灸に関係ないことにあまり時間を割きたくないが、南北相法について協力すれば、当院の宣伝をしてくれると言うので取材を承諾した。まぁ他に出来る人がいないなら、出来る人がやるしかない。それが使命なのだろう。南北相法が世に広まれば、きっと南北先生も喜ぶであろうし、南北先生が海常導師の恩に報いようと相法早引を一千部無料施本したように、私も僅かながらも南北先生の恩に報いることが出来るかもしれない。

 

とうとう綾目鍼管の生産が終わったらしいので、とりあえず必要な分だけ買い占めた。2寸はもう私が買った9本で終わりらしいが、2寸5分はまだ40本くらいは在庫があるらしい。欲しい針師は早めに買っておいた方が良い。

 

以前、某針屋に今は無き3寸の綾目鍼管の在庫を確認したことがあった。在庫は数十本だけならあるとのことだった。私が「それは全体がローレットのやつですよね」と聞いたら、店主は気持ち悪いくらいの猫なで声で「センセェ~。そうです~。そうです~。それと同じやつですよ~」と言ったから、在庫をすべて買い占めてやった。しかし実際に届いたのは両端だけがローレット加工のやつでキレそうになったが、あえて返品はせずに、それ以降その針屋の針は一切買わないことに決めた。それは全体がローレット加工になっているやつよりも若干太くて重く、しかも1~2mm長いもんだから使い物にならなかった。

 

綾目鍼管は真鍮にメッキ加工したものだから、比較的加工が容易だ。2寸のものは70mmにカットして1.5インチの中国針に、2寸5分のものは80mmにカットして2インチの中国針に使う。中国針を通す場合、内径は2.4mm前後に拡大する必要がある。アルミやプラスチックの鍼管だと切皮痛が強いから、ステンレスか真鍮の鍼管を使うのが良い。しかしステンレスは硬くて加工し難い。今も中医は鍼管を使わない傾向にあるが、鍼管を使った方が刺入時の痛みは少ない。

 

中国ではバンバン新商品が開発されているのに、日本では年々ラインナップからフェイドアウトしてゆく針灸用具が少なくない。日本ではシリコンオイルを塗って切皮痛を減らす針とか、「接触針」に使う刺入しない針とか、美容鍼専用の針とかばかりが商品化されているけれど、どうも方向性が中国とは真逆というか、思考自体が時代遅れに思えてならぬ。中国ではすでに美容針は廃れているし、針先を丸くしなくとも、シリコンオイルを塗らなくとも、ほぼ切皮痛がない革新的な針がすでに商品化されている。

 

鍼灸学校時代に、「鍼は痛いのがデメリットだから、痛くなくて、優しい、なるべく刺さないような針治療を開発すれば患者が集まるだろう」と言ったクラスメイトがいた。そんなんなら、わざわざ400万円も支払って鍼灸学校などに通わず、楊枝でも使う治療法でも開発したらよろしい。実際、鍼師以外にも、何十万円もする金の棒を使って治療している人もいるらしいが、効くと思うなら左様に棍棒を使って治療すればよいのではないか。針を刺さぬ治療をするならば、金と時間を費やして鍼師の免許を取る必要性はないように思える。