東京つばめ鍼灸院長のブログ( ´∀`)

完全無所属、無宗教、東京つばめ鍼灸院長が不定期に更新中。

長野へ行った話2

東京駅発の北陸新幹線長野駅まで行き、長野駅東口にあるレンタカー屋でレンタカーを借りて、長野市内を徘徊することにした。

 

仕事の都合上、休暇がとれるのは最大でも3日程度なので、今回は長野市内で1泊することにした。そうなると、やはり長野駅近辺で泊まるのが便利だと考え、ホテルサンルート長野に予約を入れた。

 

東海道新幹線と同様、北陸新幹線にも「ぷらっとこだま」のような「新幹線+ホテル」のプランがある。基本的に旅は泊まる場所の貴賤よりも、巡る場所の方が重要だと考えているから、ロケーションや清掃具合が極端に悪くない限り、安いホテルでも構わない。中国の薄汚いホテルに何度も泊まったせいか、日本の質素なビジネスホテルで満足できるようになった。今回は往復の新幹線代とホテル1泊料金込みで、基本料金は1人あたり17,000円くらいだったが、追加料金を支払ってグリーン車にした。

 

最近、新幹線内で物騒な事件が増えているので、新幹線に乗る時は必ずグリーン車と決めている。これまで事件が起こっているのは、だいたいグリーン車以外の車両だ。そもそも、犯罪者がハイジャックするためにファーストクラスを予約したり、繁華街を暴走するために高級外車のレンタカーを予約する可能性は低い。

 

それゆえ、懐具合の許す限り、購入可能な安全はなるべく買うようにしている。例えば、バイク乗りが安全のために、スネル規格を超越したアライ規格をクリアしたヘルメットを買ったり、アウトバーンの長距離移動が日常化しているビジネスマンが安全のために、EURO NCAPのクラッシュテストでペシャンコになるような車を避けて最高評価のドイツ車を買うようなものだ。近年露呈し出した多くの偽装問題で明らかなように、日本の安全神話はとうに崩れ去ってしまっているから、お金が許す限り、買える安全で自衛するしかないと思っている。 

 

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東京9:00発のはくたかに乗った。北陸新幹線には初めて乗ったが、揺れも少なく静かで、シートも比較的快適だった。しかし、グリーン車なのにフットレストが装備されていないのはいかがなものか。

 

乗客の半数以上は外国人だった。軽井沢あたりから、遠足らしき小学生の集団が乗ってきた。長野駅で降りるらしく、出口で一緒に並ぶことになったが、私の前に立っていたジャイ子似かつBMIの高そうな女の子が、鼻〇ソをほじり出しては口に運ぶ、という不快な行為を繰り返していた。この先の日本は大丈夫だろうか、と不安になった。

 

長野駅に来たのは初めてだったが、Google Mapのおかげで、東口にあるレンタカー屋はすぐに見つけることができた。レンタカー屋の受付には女性が4人いたが、1人だけものすごく不愛想な女がいて、少し気分を悪くした。女は受付にいて何をするでもなく、眉間にシワを寄せてムッツリしていて、客が入ってきても完全無視を決め込み、明らかに店内の雰囲気を悪くしていた。

 

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レンタカーに乗り込んだあとは、まずは善光寺へ向かうことにした。どこの駐車場に止めるべきか迷ったが、参道の外れにある、何となく馴染みのある名称のコインパーキングに停めることにした。

 

このコインパーキングは60分100円と、投げ遣りというか、何とも良心的な価格設定だった。ちなみに、東京銀座のコインパーキングの相場は15分でおおよそ500円だから、東京で同じような名前のコインパーキングに止めたら、20倍以上の料金を支払うことになるかもしれない。しかし、60分100円で儲けが出るのだろうか、税金対策だろうか、などと考えた。

 

かなり腹が減っていたので、参道に並んでいるそば屋で美味そうな店を探すことにした。あまりにも腹が減りすぎていて、長野から来ている患者さんに教えてもらっていたそば屋を探す気力はもはや皆無だった。

 

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参道は平日ゆえか、ガラガラだった。吉祥庵という縁起の良さそうな店があったので、ここに入ることにした。店内は昼時ゆえ満席だったが、店員の愛想も良く、店内の客がみな旨そうにそばをすすっていたので、しばし空席が出るまで待つことにした。

 

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結局、あまり待たずに、席に通された。とりあえず、日替わり定食を注文することにした。そば嫌いのこびとも同じものを頼んだ。5分ほどで美味そうなそばが運ばれてきた。

 

西日本の人間はそばよりもうどんを好む傾向にあるが、こびとも例にもれず、そばが嫌いだった。しかし、ここのそばは殊の外(ことのほか)美味く、こびとはそばが好きになったようだった。

 

東京のそばと言えば江戸時代から続く藪(やぶ)、更科(さらしな)、砂場(すなば)が有名だけれど、個人的には長野のそばが一番の好みだ。

 

以前、師匠と私と、師匠の知人で鍼灸師からミュージシャンに転向すると吹聴していた変人某氏と三人で、近所の某そば屋で昼飯を食ったことがあった。出雲蕎麦に馴染みのある師匠は、真っ白な更科蕎麦を見て開口一番、「こんな素麺みたいに白いのはそばじゃないでしょ!」と店主に聞こえるようなトーンで嫌みを込めて叫んだ。店主の顔は明らかに引きつっていたが、師匠は気にしていない様子であった。それから数年後、師匠が叫んだ影響かどうかはわからぬが、そのそば屋は閉店してしまった。

 

東京人からしてみれば、そばは本来、ツルツルと喉越が良く、小気味よく食べられるのがそばであって、出雲蕎麦のようにボソボソしたそばは、もはや蕎麦と言うより「そばがき」を食っているような感覚がある。

 

しかし、出雲人に言わせてみれば、東京のそばなんてのはそうめんみたいなもんであって、そばの香りがないそばなんてそばではない、ということらしい。

 

個人的にはその中間に位置し、喉越しの良さと香り高さを備えた信州そばが最高だ。島根だと、安来市にある「まつうら」というそば屋が信州風で美味しい。東京には無数のそば屋が存在するけれど、残念ながら、自分好みのそば屋は1つもない。