東京つばめ鍼灸院長のブログ( ´∀`)

完全無所属、無宗教、東京つばめ鍼灸院長が不定期に更新中。

花甲

先日、師匠の還暦パーティーがあった。私は予約しておいたホールのケーキと、還暦祝いに剪纸を持参することにした。 

 

ケーキは最も見た目が美しく、実際に食べても美味しそうなケーキを選んだ。近所では見当たらなかったので、新宿のアンテノールで予約注文した。ケーキに載せる板チョコには「祝愿师父万寿无疆!(師匠が永遠に逝きませんように!)」と、チョコペンで書いてもらった。「师傅」と書いてもらっても良かったが、おそらく細かすぎて字がつぶれるだろうと予想したので、「师父」にしておいた。ロウソクは60本用意しようかと思ったが、数字のロウソクがあったので、6と0のロウソクを買っておいた。便利な世の中になったものだ。 

 

剪纸(jianzhi)は中国で2000年以上前に始まったとされる民間芸術の一つで、中国では現在、非物質文化遺産に登録されている。

 

剪纸というと赤紙の単色が多いが、影絵芝居で使われる皮影(piying)と呼ばれるカラフルな切り絵を買った。種類は色々あったが、無難なデザインにした。「吉祥如意(jixiang ruyi)」とはお祝いなどで使用されるメジャーな成语で、要するに「幸運が訪れますように」みたいな意味だ。ガラス製だから、北京から割れないように持って帰るのが大変だった。 これは王府井書店で買った。

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北京图书大厦(北京図書ビル)では針灸関係の古典の繁体字本を沢山買った。画像の本は『中医古籍珍本集成』という湖南科学技術出版社のシリーズ本で、木版刷りの内容がそのまま印刷されている。去年あたりから発売されていて、有名な古典、経典はほとんど網羅されている。中医関係の本はいつ売り切れになるかわからないから、在庫があるうちに買っておくのが賢明だ。とりあえずアホな鍼灸師と思われないように、針灸大成、甲乙経、聚英、内経、霊枢、問対、摘英集、玉龍経あたりを買っておいた。その他に本草綱目やら成语大全なんぞも買ったら、荷物の総重量が40キロを超えてしまい、帰国時に地獄を見た。まぁ、これで私もアホ鍼灸師のカテゴリーからは何とか離脱したであろうと思う。

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ついでに、経穴図もやっと良いのが発売されていたので買っておいた。人民衛生出版社が出した第4版の穴位図で、確か4枚セットで40元(約600円)だった。針灸中医関係の本もそうだが、こんな良質な穴位挂图は日本では一生手に入らないかもしれない。特に4枚目には頭部や顔面部の細かい穴位が記されていて、非常に良い。これでいちいち本を開く必要がないし、患者さんや見学者にツボの位置を説明しやすくなる。額はネットでオーダーメイドしてもらった。1つ7000円くらい。

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西单の北京图书大厦にも『中医古籍珍本集成』の在庫があったが、王府井書店に比べると種類が少なかった。大胆にも壁際で寝読みしている輩がいた。 北京の本屋では、以前から座り読みは頻繁に目撃してきたが、寝そべって読む輩は初めて見た。

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今年も北京の大気汚染は例年通りな感じだった。最近は植林など緑地化の成果が出て来ていて黄砂は減ったらしいが、PM2.5はまだ減っているという感じがない。今は中国よりも、むしろインドの方が酷いらしい。

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師匠には8月にグンゼ製の真紅のパンツをプレゼントしておいた。中国では日本と違い年男は凶だから、赤いモノを身に着けておくことで、魔除けになると言われている。ちなみに赤いパンツは1枚しかあげていないが、大そう気に入ったらしく、毎日履いているらしい。 

 

また中国ではお祝いの時や大晦日に爆竹をならす習慣があるが、あれは元々、ある村を害していた夕(xī)という怪物を、どこからともなく現れた自称仙人が火に竹を投げ入れ、竹が爆発する音で怪物を撃退した、という逸話が起源になっていると言われている。これで毎年大晦日になると山へ逃げていた村人たちが、無事に村で新年を迎えることが出来るようになったそうだ。

 

爆竹という名称は、そもそもは火に竹をくべたのが始まりなのだろう。空を飛ぶとか、空中浮遊をするとか噂されている仙人が爆竹というアイデアを村民に伝授したのである。北京へ行ったついでに爆竹を買ってきて師匠ハウスで鳴らそうかと思ったが、空港の保安検査で別室へ連れて行かれるのも嫌なので諦めた。 

 

還暦パーティーの参加者は9人であったが、主役がわかるように赤い三角帽子と眼鏡を買い、師匠にプレゼントした。師匠はこれを装着したまま、針灸について熱く語っていた。

 

師匠が「ついでに本の宣伝もしてもらいましょう」と言うので、刷たてホヤホヤの本と一緒に写真を撮った。治せず路頭に迷っている鍼灸師は、淺野周著「鍼灸院治療マニュアル」をどうぞ。AKBのCDのように、1人50冊も買えば師匠も喜ぶでしょう。私は1冊買いました。

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これまで師匠とマトモに写真を撮ったことがなかったので、集まったみんなで還暦記念の集合写真を撮った。三脚を装着したキャノンの一眼レフで撮ったので、綺麗に撮れて良かった。最近の一眼レフはオートタイマーで連続撮影が出来るから便利だな、と思った。