インチョーのブログ(表)( ´∀`)

「東京つばめ鍼灸」インチョーの独り言ブログ。「南北相法」の翻訳ページはこちら→http://www.varianttuning.com/index.html

海底捞月

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先日、久しぶりに亜東書店へ行ってきた。台風の影響で豪雨だったからやめようと思ったが、多分帰りには晴れるだろうと予想してとりあえず出かけた。

 

亜東書店は主に中国語圏の書籍を輸入・販売している本屋で、小ぶりの店舗ではあるが中々の良書が並べられている。小川町や新御茶ノ水駅が最寄りだが、神田駅からでもそんなに遠くはない。

 

神田駅から亜東書店まではスコールのようなゲリラ豪雨が降ったり止んだりで、いつも通りに本棚を舐めるように品定めしている間も店内には他に客がおらず、ゆっくりと本が選べて良かった。かれこれ1時間くらいは立ち読みをして、何冊か良い本が買えた。

 

人民軍医出版社の「体针疗法治百病」は無難な内容だがとりあえず手元にあると何かと役立ちそうなので1冊買っておいた。辽宁科学技術出版社の「针灸特效穴图解(VCD付き)」は掘り出し物だった。内容的には、現在日本でプレミアがつくほど珍重されている柳谷素霊の「柳谷秘宝一本鍼伝書」という本に似ているが、それより遥かに実践的で役立ちそうな内容であった。しかも定価はたったの35元(今は700円くらいだが発刊当時は400円くらい)である(亜東書店では2100円だった)。日本では未だ柳谷素霊に狂信的な鍼灸師が多いけれど、彼の本だけを読んでそれを臨床に活かし、実際に治せるようになっている鍼灸師はどれくらいいるのだろう。

 

超希少な名著を手に入れたとしても、どんなにすばらしい师傅に弟子入りしたとしても、結果が全てである。

 

後に、どんなに斬新で高尚な理論を掲げようが、多くの注目を集めようが、結局は一人でも多くの患者を治せるようにならなければ、その鍼灸師の頭の中身は空々漠々、無芸大食、我利我利亡者の極みみたいなもんであって、鍼灸師としての存在価値は無いに等しい。

 

以前、ドイツの心臓外科医として日本人初の永代教授に任命された南和友医師が、日本の某番組で「(ドイツにおいては)病院のレベルが高くなければ、そこに病院が存在することこそが悪いことなのです。」と言っていたが、こんな至極全うな話であっても、理解出来ない鍼灸師が実在するからどうにもならぬ。多くの患者が求めているのは何よりも、現在の悪しき状況からいかに抜け出すか、ということに尽きる。

 

中国語が解せると、途端に針灸研究の幅が広がるのだが、日本の多くの鍼灸師はそのことにすら気が付いていない。よく、私は古典派だとか、私は古典を勉強しているとか自信有り気に騒ぐ鍼灸師がいるけれども、その実態は日本で出版された怪しい翻訳書や注釈書を数冊読んだだけのパターンが少なからずで、中国語の医古文を原典で読んでいる鍼灸師なんて日本にはほとんどいないだろうと思われる。

 

例えば日本で著名な中医翻訳家であっても、実際には中国語を解せていないのに翻訳家として祀り上げられている、というパターンもあるようだし、編集者もちゃんと校正していないのか、誤訳ばかりの鍼灸書も少なからずあるようだ。ちなみに、私の師匠の浅野周先生が訳した本は原典に忠実に訳されているから、安心して読めると思う(実際に何冊か原典と照らし合わせてみたし、僅かながら校正を手伝ったことがある。)。

 

とにかく亜東書店では中国の針灸本やら北京語言大学の教科書などを売っていて、中国に行かなくても欲しい本が手に入るもんで、私のようなアウトロー鍼灸師にはとてもありがたい本屋の一つである。

 

価格はおおよそ定価の3倍くらいだから決して安くはないけれど、北京では絶版になっているような針灸本が随時並べられていたりして、たまに掘り出し物があったりする。毎年北京へ行くから新刊は現地で買うようにしているけれど、たまに倉庫から掘り出し物が店頭へ並べられたり、割引セールをやっているから、定期的に覗きに行くのが習慣になっている。

 

一昨年北京に行った時には人民衛生出版社の中医大辞典と針灸推拿学辞典、江蘇科学技術出版社の中国針灸学辞典を定価で安く買えた。どれも翻訳には必須なので予備にもう1冊ずつ買おうかと思って亜東書店で見てみたけれど、かなり高かったので今回は買うのはやめた。ま、中医大辞典なんかは現地で買っても7000円近くするから、中国へ行かない人なら亜東書店で買うのは良いかもしれない。中国針灸学辞典は2冊並んでいたが、1冊は汚れているからか大幅に値引きされていた。内容は軽めだけれど中々良い本なので、欲しいかたは今のうちにどうぞ。

 

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神田駅へ戻る途中にバイク用のパーキングを見つけた。最近出来たばかりらしい。都内にはバイク用のコインパーキングがほとんどなくて困るから、見つけるたびにチェックしている。

 

亜東書店に行った後は、中央特快で立川の伊勢丹へ行くことにした。7階の催事会場で551の豚まんを売っているとのことだった。

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神田から立川までは50分くらいかかった。立川は遠い。伊勢丹の7階には様々な食い物が売られていたが、551のブースだけは異様なほど行列が出来ていた。しかし20分くらい並ぶだけで済んだ。赤い制服を着た兄ちゃんが何かに憑りつかれたように、豚まんの皮を一心不乱にペッタンペッタンとこねる様子を眺めていると、隣のブースにいた売り子のオバハンが、「焼き立てのハタハタ、焼き立てのホヤホヤ。どうぞー、ごりよーくださーい。並んでいる方いかがですかぁー。」と私のプライベートスペースに侵入しながら叫んでいて、煩わしかった。

 

豚まんを買った後、カフェで休憩でもしようかと思ったが、ルミネのスタバは満席だったので、スープストックでレモングラスグリーンティーという舌を噛みそうなお茶を飲みながらしばらくマッタリした後、成城石井で師匠が喜びそうなお中元を物色して、帰途についた。

 

 

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